密室でふたり、イケナイコト。

それから少し歩くと、それらしき建物が見えてきて立ち止まった。


青色の屋根で、目の前にはマンションがある家。

「あそこだ……」

きれいな家だなぁ……

「………」

ふうと、1つ深呼吸して歩き出そうとすると

「――――――」

家のドアが開くと同時に話し声が聞こえてきて、

「っ!!」

咄嗟に近くにあった家の壁に隠れてしまった。

なに怖気づいてんのよ……

謝るって決めたじゃないっ……!!


再度喝を入れるようには頬をペチッと叩いた瞬間。

「もうっ、ほんとに大丈夫ー?」

「大きい声出すんじゃねーよ。
頭に響くから」

「ごめん、ごめん!」


可愛らしくて透き通るような声。

成宮と家から出てきたその相手が誰か分かった瞬間、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。


は、春名ちゃん……

どうして、ここに……?

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