密室でふたり、イケナイコト。
「私たちがキス、してたとこ」
唇に人差し指を当てて、クスッと笑う春名ちゃん。
やっぱり、昨日のは見間違いじゃ、なかったんだ……
昨日のはわたしの勘違いだったんじゃないか、もしかしたら嫌な夢を見てただけだったんじゃないかって…そう、思ってたのに。
「何かが落ちる音がして見に行ってみたら、ゆずきちゃんが走っていくのか見えて」
「っ……」
「あっ、でも安心してよ。瑞稀はそのまま家に入っちゃったから、バレてないよ?
今日お見舞い行った時に、ちゃんとあの袋、渡しといたから」
なんて、クスクス笑ってる。
なにがそんなにおかしいの?
わたしが動揺してるのを見るのが、楽しいの?
自分は成宮とキス、したからって……
そう思うわたしに拍車をかけるかのように、降ってきた言葉に思考が停止した。
「私さ、泊まったんだよね~」