密室でふたり、イケナイコト。

「ったく、顔も濡れてるし」

めんどくさそうな顔をしているけれど、その手はとっても優しい。


「………」

ちょっ、ちょっ、成宮!!!

近いって!!!

途端に、心臓がバクバクと早く動いている。


“ 誰もいない。

更衣室に、ふたりきり ”


改めてそれがジワジワと感じられて、プールで涼んだはずの体が暑くなっていく。

「ゆずきってさ、声優としてはしっかりしてんのに、意外と抜けてるとこ、多いよな」

と、目を細めてクスクス笑う。

「もう、笑わないで!!」

「だって、可愛いんだから、しょうがないじゃん」

「なっ……!?」

また楽しんでる……!!!


サラッと恥ずかしいことを言うもんだから、

その甘い眼差しに耐えきれずに、サイドで縛っていた髪をほどくわたし。

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