密室でふたり、イケナイコト。


「俺が寝てるとでも思った?」



ゆっくり開かれていくその瞳は、してやったりという表情。


「なっ、だ、騙したの…っ!?」



「寝てるフリしたら、なにしてくれるのかと思って」


な、なんだって…!?


フリ、だと!?


意地悪そうに笑うその顔は、眠気なんて微塵も感じない。



「は、離してよっ...!」



「無理。
こうでもしないと、絶対逃げるだろ?」



「に、逃げないからっ…!」



だ、だからって、この体勢は…!



成宮が座っている分、自然と上から見下ろす形になってしまう。


掴まれていない方の手は、成宮の肩の上。



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