密室でふたり、イケナイコト。


「だから…好きなやつに向かって言ってるって思えば、想像なんかしなくてもいいってこと」


「でしょうね。
それで?」


いくら演技って言ったって、

嫌いな女の人を思い浮かべるのも、成宮の場合絶対嫌そうだもんね。


だから、好きな人か…


頭のいい成宮の思いつきそうなことだわ。


え、ってことは…


「成宮って好きな人いたんだ!?」


「…はぁ?」

成宮が好きになる人…


相当可愛い人か、はたまた男の人ってことも…

いやいや、それはないだろ、自分!!

いくら女嫌いだからって、男が好きって可能性があるわけじゃないし…


どんだけ頭腐ってるのよ、わたし…


一人百面相していると、これでもかというくらい盛大なため息をつかれた。


「お前さ、これでもまだ分かんないわけ?」



髪をクシャクシャとして、いつもの余裕そうな表情が崩れて、イライラしている。


「なにが…っ!?」


はっきりしない、こっちの方がイライラするわっ!!


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