涙の数だけ
プロローグ
『ネクタイが緩い!!』
『シャツをしまえ!!』
『ボタンをしめろ!!』
そんな喝を飛ばす俺の前に突如現れた彼女
「先生、厳しい」
「先生、顔が怖い」
「先生…ごめん」
「先生…大丈夫だから」
いつも笑っていた彼女の目に浮かんだ涙
頑張りすぎたための彼女の涙は
苦しすぎたために零れた彼女の涙は
俺の硬い心を優しく包み込んでくれた
きっと一生忘れることのできないたった1人の生徒
『新垣 ゆず』