涙の数だけ
『新垣、おいてっちゃ可哀想だろ』
気づくと声をかけてる俺がいて。
何してんだ…俺。
「いいんですよ!
ってかそれより明日、先生筋肉痛ですよ~」
『そんなトシじゃねぇよ』
なんて冗談を交わしていた。
なんてこった。
俺にも冗談が言えたのか。
新発見だ…
「明日が楽しみですね!」
新垣はおいついた東と三木と自分の班に戻っていった。
どうやら新垣は俺よりも1枚上らしい。
俺の上を行くなんて悔しい限りだ。
今日は時間に余裕がある。
午後まで林業体験とハイキングを終わらせ、
早めの夕飯に早めの風呂
そこから約1時間後に星座観察
で、その1時間後に班長会
ただ、自由な時間が増えるということは
それだけ問題が起きる可能性が高くなるということだ。
こればかりは鬼教師の俺がいても食い止めることはできない。