涙の数だけ





「大丈夫です」

新垣は繰り返す。



『俺はお前の担任だろ?

なんでも言ってくれ…』



「大丈夫です」



『泣いていいから

俺は力になれるか分からない。


それでもお前の背負ってるものを少しでも分けてほしいんだ』




「ホントにもう、大丈夫です」




これじゃあらちが明かない。



挙句の果てには



「あたしなんかよりずっとマリのほうが…」


と、言いだす始末。



これには思わず声を荒げてしまった。


『そういうのは人と比べるものじゃない!』


気づいたら涙が溢れそうになっていた。




あぁ…鬼教師の仮面が外れそうだ。






< 23 / 38 >

この作品をシェア

pagetop