涙の数だけ
「大丈夫です」
新垣は繰り返す。
『俺はお前の担任だろ?
なんでも言ってくれ…』
「大丈夫です」
『泣いていいから
俺は力になれるか分からない。
それでもお前の背負ってるものを少しでも分けてほしいんだ』
「ホントにもう、大丈夫です」
これじゃあらちが明かない。
挙句の果てには
「あたしなんかよりずっとマリのほうが…」
と、言いだす始末。
これには思わず声を荒げてしまった。
『そういうのは人と比べるものじゃない!』
気づいたら涙が溢れそうになっていた。
あぁ…鬼教師の仮面が外れそうだ。