涙の数だけ
クセのペン回しをしていて。
眼は真っ赤だが、いつもと同じ顔つき。
新垣…お前はただ者じゃねぇな
責任感、強すぎだろ
呆れて溜め息が出た。
さっき、俺は気がついた。
俺…たぶん、新垣に惹かれてる。
紗智という妻がいながらも
生徒に惹かれている。
新垣に敏感なことも
抱きしめたいと思ったことも
いい例だ。
何を考えてる、俺は…
そんなことを考えながら班長会を始めた。
班長会の最中、隣の班長と笑いながら話す新垣を見た。
どうしてお前は笑っているんだ。
さっきまで、ボロボロになっていたのに。
信じられなくて。
バカみたいに頑張る新垣はもう俺の手には負えない。