涙の数だけ
「お疲れ様で~す」
『お疲れ様です』
職員室に残るは俺だけ。
今日、野外学習から帰って来た。
それなのにどうして俺は1番最後に職員室を出ないといけないんだ…
そんなことに若干の苛つきを覚える。
そして俺は仕事を手際よく終わらせて行く
『ただいま』
帰宅時刻9時
あぁ…疲れた。
今の俺には疲労という2文字しか残っていない。
「おかえり、雄志」
俺は紗智の笑顔が好きだ
紗智の笑顔を見るたびに俺は元気になれる。
そんなキャラじゃないことくらい、百も承知で。
だけど俺だって人間
鬼教師だとしても人間には変わりない。
「お疲れ様でした」
紗智は俺の好きな温かい緑茶を入れてくれる。
それをすすりながら俺は流れていく時間を感じていた。