涙の数だけ
「せんせー!
あたし、名札忘れましたっ
すみません!!」
そこへ職員室に入ってきた新垣
周りには2、3人の友達がいて。
お前の周りには絶対に友達がいるんだな、
なんて小声で呟く。
「え?あたしがうらやましいんですか?
せんせー??」
ニヤニヤと鬼教師の俺に言う新垣は怖いもの知らずだ。
『そんなワケないだろ。
早く教室に戻りなさい』
きっと、あとで冗談通じないおもしろくない先生だ、
とか言われるんだろうな。
なんて頭の隅で考える。
あぁ…こんなこと考えるくらいならノリのいい先生になればいいのにな。
って、今さら遅いか。
気づくともう、バスに乗り込む時間で。
なんでこんな早く時間は流れてしまうんだ。
あぁ…俺もトシを取ったもんだな。
「ゆず!しりとりしよー!!」
バスの真ん中のほうで新垣の仲間の東 葵(アズマ アオイ)の声がする。
「イヤだね。しりとりとか幼稚ぃ~!!」
クククッと笑う新垣の声。
噂に聞いた通りSだな、コイツ
『先生、そろそろ発進してもよろしいでしょうか?』
バスガイドさんに聞かれ、俺はもう1度人数確認をする。
『じゃ、お願いします』
全員揃ったのを確認してバスガイドさんに声をかける。
そうすると動き出すバス
二泊三日
短いようで長い旅が始まった