綺麗事
葉月side
「あ、鈴張さんだ。」
お昼ごはんを食べてゆっくりしていたのだ
が、眞衣がいちごミルクを飲みたいといい
だした。
夏目と葉月と三人で食堂にある自動販売機を
目指して歩いていると眞衣が突然呟いた。
「?鈴張?誰だ?」
眞衣と手を繋いで歩いていた夏目が言う。
「ほら、あそこ。」
窓の外、裏庭のベンチを指差す眞衣。
確かに女の子がベンチに横になっていた。
「?見たこと無い子だね。」
葉月が言った。
「うん、なんか諸事情で遅れて学校に登校
してきて、今日がはじめてらしいよ。」
「「諸事情?」」
夏目と葉月がハモった。
「うん、先生がそう言ってた。すっごい
美人さんなんだよ!!」
興奮したように言う眞衣に夏目はチラリと
葉月を見た。
葉月はそんな夏目に頷く。
清瀧の害に、もしくは眞衣の害にならない
ように。