綺麗事

「喘息発作を起こして意識不明の状態で運ばれて来ました。さっきの時点でSpo2が87で酸素入れてます。」

「ん、分かったありがと。」

「あ、後付き添いで4人位来てたんで。」

「あ、ホント?ありがと。」

「いえいえ。」

そう言ってから医師と別れて理苑の病室に入る。

酸素マスクを着けて青白い顔で眠っている彼女を見るといつも不安になる。

このまま居なくなってしまうんじゃないかと。

酸素マスクを着けた青白い顔に触れると温かくてほっとする。
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