綺麗事

そんな夏目に不安そうにすがり付く眞衣。

香月も以前の総会で眞衣を紹介されたから彼女の存在は知っている。

ただ、興味が無いだけ。

香月が興味を持つ女は理苑だけ。

香月は眞衣を一瞥してから溜め息をついた。

「とりあえず紫苑を呼んでくれる?」

「何故?」

そう言う葉月に香月は溜め息をついた。

「あのさ、なんで気付かないわけ?」

「え?」

「はぁ、鈴張 理苑と鈴張 紫苑。わかんない?」

「「「「あ、」」」」

全員が気が付いた。

「か、ぞく?」

と、溢す葉月。

「馬鹿じゃないの?鈴張 理苑と鈴張 紫苑は双子だよ。」

そう、香月は面倒くさそうに言ったのだった。
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