綺麗事
気まずいなぁと思いながらも篤の隣に立つ
と自己紹介を促された。
「鈴張 理苑。よろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げると。
「うおー!!!美少女だぁ!!!」
変に叫び出す男子生徒。
と言うか皆髪色がカラフルだなぁなんて
煩すぎる現実が嫌で逃避してみる。
だけど女子生徒からの殺気の籠った変な
視線にイライラする。
「鈴張の席は一番後ろな。市原~、鈴張の
こと頼むなぁ。」
クラスでただ一人だけの黒髪。
あの子が篤の言っていたお姫様だろうか。
面倒くさいなぁと思いながら席に座る。
「あ、あの、市原 眞衣です。宜しくね。」
そう言われて理苑は頭を下げた。
「分からないこととか何かあったら聞いて
ね。あんまり教室に居ないけど。」
「ん、ありがと。」
理苑はそう返事して机に突っ伏した。
清瀧のお姫様に下手に関わると面倒な事
に巻き込まれそうな気がする。