綺麗事


気まずいなぁと思いながらも篤の隣に立つ


と自己紹介を促された。


「鈴張 理苑。よろしくお願いします。」


ペコリと頭を下げると。


「うおー!!!美少女だぁ!!!」


変に叫び出す男子生徒。


と言うか皆髪色がカラフルだなぁなんて


煩すぎる現実が嫌で逃避してみる。


だけど女子生徒からの殺気の籠った変な


視線にイライラする。


「鈴張の席は一番後ろな。市原~、鈴張の


こと頼むなぁ。」


クラスでただ一人だけの黒髪。


あの子が篤の言っていたお姫様だろうか。


面倒くさいなぁと思いながら席に座る。


「あ、あの、市原 眞衣です。宜しくね。」


そう言われて理苑は頭を下げた。


「分からないこととか何かあったら聞いて


ね。あんまり教室に居ないけど。」


「ん、ありがと。」


理苑はそう返事して机に突っ伏した。


清瀧のお姫様に下手に関わると面倒な事


に巻き込まれそうな気がする。
< 7 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop