生徒会長の甘い毒牙
chapter1
桜舞う
「やっちゃった…」
とっくのとうに鳴ってしまったチャイム。正門なんてとっくに閉まっている。
ありえない!入学式という高校生活のスタートを切るには外せない大切な式を欠席してしまうなんて!!
この春から憧れていた高校に入学する私。楽しみで仕方なかったというのに最悪なことに寝坊して大遅刻という失態をしてしまった。
ああ…。
スタート、出遅れちゃったよ…。
今頃体育館では入学式が行われているんだろうな…。
目の前には明日から通う高校が目の前だってのに正門も裏門も開かないものだから入れない。入学初日から一人で桜見ながら遠くから聴こえる校歌をぼーっと聴いているなんて最悪。
「もう、やだ…っ」
「何してんの?」
っえ?
不意に頭上から声がする。どうしよう、顔を上げるべき?でも先輩だったら?
入学式すらサボる最悪な1年が入ってきたと思われちゃう…。
私は声をかけてきた人の返事に応じなかった。
「…へぇ。いい度胸してんな?」
「っ…!?」
くいっ、と顎を掬われて顔を近づけられる。
サラサラとクセのない黒髪は春の暖かな太陽の光でより艶めいており、少し切れ長で鋭さがある紅い瞳は私の視線を奪うのに十分だった。
とっくのとうに鳴ってしまったチャイム。正門なんてとっくに閉まっている。
ありえない!入学式という高校生活のスタートを切るには外せない大切な式を欠席してしまうなんて!!
この春から憧れていた高校に入学する私。楽しみで仕方なかったというのに最悪なことに寝坊して大遅刻という失態をしてしまった。
ああ…。
スタート、出遅れちゃったよ…。
今頃体育館では入学式が行われているんだろうな…。
目の前には明日から通う高校が目の前だってのに正門も裏門も開かないものだから入れない。入学初日から一人で桜見ながら遠くから聴こえる校歌をぼーっと聴いているなんて最悪。
「もう、やだ…っ」
「何してんの?」
っえ?
不意に頭上から声がする。どうしよう、顔を上げるべき?でも先輩だったら?
入学式すらサボる最悪な1年が入ってきたと思われちゃう…。
私は声をかけてきた人の返事に応じなかった。
「…へぇ。いい度胸してんな?」
「っ…!?」
くいっ、と顎を掬われて顔を近づけられる。
サラサラとクセのない黒髪は春の暖かな太陽の光でより艶めいており、少し切れ長で鋭さがある紅い瞳は私の視線を奪うのに十分だった。
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