シロツメクサの花冠【完】



……そうなんだ。


だから、″兄貴には頭が上がらない″なんて言ってたんだ。



「俺の兄貴がほんとに勉強から料理からなんでも出来る人で。まあ、兄弟がデキる人だと、グレるって言うの?俺はまさにその通りでさ」



ポツリポツリと発していく聡介には言葉とは裏腹にどこか尊敬の念が感じられた。



「俺はなんにもできねえけど、兄貴がこうやって大学まで出してくれてさ。とりあえず、大学卒業するまでは頑張ろうと思って」


「お兄さん、すごいんですね……」



もちろん、お会いしたことはないけれども、話を聞いているだけでも凄い人なんだと思った。


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