シロツメクサの花冠【完】
舞音がいるから、気を遣ってたのか……。
さりげない聡介の優しさに笑みが零れる。
「あ、シロツメクサがある」
足元を見ると、一面にシロツメクサが咲いていることに気が付いた。
「シロツメクサ?」
男性だから、あまり花については詳しくないのか、聡介は首を傾げた。
「そう。クローバーとも言うんですけど。小さい頃よくこれで花冠作ってたなあ」
それを被っただけで、少しお姫様気分になれた気がしたっけ。