シロツメクサの花冠【完】
隠し子がいるのかと思った咲智はホッとして肩を撫で下ろした。
「遊んであげてるんですね」
なんだか似合わないと思ってしまった。
咲智の知っている聡介は、喫煙所で煙草を吸って、飲み会ではどんちゃん騒ぎして、警察沙汰にならない程度に暴れていた印象だった。
その反面、フットサル自体は高校の時サッカーで県大会で上位になるようなチームのレギュラーだったくらいの実力の持ち主だそうで、周りはあまり聡介には強く言えないようだった。
「……兄貴には頭が上がらねーんだよ。俺を大学まで出してくれたから」
聡介はボソッと呟いた。
なんだか、思っていたよりも聡介の家庭はワケありみたいだとその時咲智は悟った。