『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
お店から出ると
夕方の空になっていた
今日も楽しい1日だった
「私、これから彼氏と約束があるので
ここで失礼します
今日は、ありがとうございました」
佐々野さんが先生と私に言った
それで佐々野さん、かわいくしてたんだ
私と先生は佐々野さんを見送った
彼氏のもとへ向かう佐々野さんは
幸せそうだった
「いいな…」
佐々野さんの後ろ姿に私は言った
「立花さんも彼氏作れば…」
先生が言った
ズキン…て胸に響いた
先生、知ってるのに…
私の気持ち
「…」
何も言えなかった
「…ごめん…
…駅までで、いい?」
先生が申し訳なさそうに言った
「私もここでいいです
新しい筆を買おうと思ってたから
画材屋さん寄って帰ります」
笑顔で言ったけど
先生と一緒にいるのが辛かった