『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
「美術展に出展するのは君かな?」
後ろから急に声がして驚いた
振り返ると体育館で紹介された
美術の先生が立ってた
「ごめん、驚かせて」
体育館で見た時の印象と
少し違った
もっとおとなしそうな人かと思った
「今日の夜まで大丈夫だよ
納得いくまで描いていいよ」
「…何が違うのかわからないんです」
「んー」
先生は後ろに下がって絵を見た
「違うとか、間違えとか、
作品にはそんなのないよ
これが君の作品なんだから
いいと思う」
「ふー…」
私から溜息のような変な音がした
もぉコレで出展するしかないか…
「僕ならここに、もぉ少し青を足す」
先生が指をさして言った
「じゃあ、納得いったら
教務室呼びに来て
待ってるから」
先生はそう言って美術室から出て行った