『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
夏の思い出
夏休みの間
何度か先生のアパートに行った
学校に行っても
佐々野さんもいないし
私ひとりだった
ここに来ないと先生に会えなかった
「夏休みの美術室なんて行くもんじゃないよ」
クーラーの効いたアパートで先生が言った
「だいたい美術部って夏休み活動してないだろ
こんなに一生懸命な美術部、初めて見た」
先生は私を笑った
私は膨れた
「ホントに
絵、好きなんだね…」
先生は私の膨れた頬をつねった