『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

先生がタバコを吸い終わったから
私また、先生の近くに座った



先生が読書に集中してても
私は退屈じゃなかった

退屈だったら帰ると思う



帰りたくない

ただここにいたかった



先生も来るなとも帰れとも言わなかった




「…立花さん…」



「はい?」



「タバコ、買って来ていいですか?」



「ダメです!
先生、病気になったらヤダから」




「ふー…」


ため息をついて
先生が私に寄りかかってきた



いきなりでびっくりした




「立花さん、あのさ…」



「はい…」


ーーー



返事と同時にキスされた



「…ごめん
タバコ、ないと、我慢できない…
だから、タバコ吸ってた…」



「…先生、私はいいですよ
だから、タバコ止めて…」



先生にキスされるとキュンてして
恥ずかしいけど嬉しくなる



ーー

ーー

ーー



先生の唇が軽く何度も触れた


喉の奥がギュッてなった



「先生…好き…」



ーーー

ーーー

ーーーーー



先生のキスがさっきより強くなった



「ごめん…」



「私は、いいですよ」



「オレは、ダメなの」

そう言って先生は照れ笑いした



飲み込んだ唾は
また先生の味がした





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