『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

ピピピピ…ピピピピ…



目覚まし時計の音がして
先生が隣で寝ていた



先生が起きてアラームを止めた

いつの間にか二度寝してしまった




「夢…?」

先生に聞いた



「…なんの夢?」



「先生が…好きって、言ってくれた…」



先生は恥ずかしそうにした



「夢じゃないかも…言った…」



私が微笑むと先生も返してくれた




「たぶんね…
だってオレ、腕痛いもん」



先生はずっと抱きしめてくれてた



「ごめんなさい…」



私は先生の腕の中で小さくなった




「あー、もぉなんなの?
立花さん…」



バカって、怒られる…?



「かわいい…」



え…



目が合って



ーーー



キスされた





あの日のつづき


先生のアパートの玄関で終わった

思い出と繋がった




「好きだよ…
…もぉいなくならない」



「嘘じゃない…?」



私は先生のシャツを
強く握った



「うん…嘘じゃない」



「好き…先生…」



「好きだよ…菫…」



ーーー




好き…

何度でも聴きたい



私の耳に

心地よく響いた






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