『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

玄関から保健室に向かった



「どぉしたの?」


濡れた私を見て
保健室の田中(たなか)先生が言った



ブレザーを脱いだら
ブラウスは濡れてなかった


ブレザーをハンガーに掛けた



田中先生が髪を拭くタオルを貸してくれた



「温かいお茶でも飲む?」

田中先生は自分のマグカップに
コーヒーを入れるついでに聞いてくれた



「大丈夫です」

私は髪を拭きながら答えた



「このバッグは何?
これも少し濡れてるから
拭いておくわね」

言われて思い出した



先生にお弁当渡すの忘れた!


私はお弁当袋を持って急いで保健室を出た



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