『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
先生どこにいるかな?
教務室を少し覗いたけどいなかった
3階の美術室まで一気に階段を駆け上がった
美術室に先生の姿があった
ハァハァハァハァ…
「先生、お弁当…」
私は先生にお弁当を差し出した
「コレ、わざわざ届けに来たの?」
先生は驚いた顔をしていた
「…はい」
私は肩で呼吸しながら言った
「ありがと…
じゃあ、せっかくだから
いただきます」
先生がお弁当をあけた
「…なんとなく、想像はついてたけど…」
片寄っていた
「でも、ありがとう」
先生はそう言ってミニトマトを食べた
「うん、おいしい!」
「もぉ!先生!それ、私が作ってません
だいたいおいしいです!」
ふたりで笑った
先生はその後、唐揚げを食べて
「おいしい…」
そう言ってくれた
照れくさかったけど嬉しかった