『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
放課後、また美術室に行った
スケッチブックを持って
外に行ってみよう
美術室を出る時、先生と鉢合わせた
「桜、見に行くの?」
「はい」
「オレもあとで行こうかな…」
「先生は今日は早く帰ってください
彼女に会えるといいですね」
「心配してくれてんの?
じゃあ、お言葉に甘えて…」
先生はそう言って
笑いながら美術室に入って行った
「立花さん!」
すぐに先生に呼び止められた
「なんですか?」
「さっき虹が見えたんだ
立花さんにも見せたいな‥って思ったから」
「私も見ました
同じこと思いました
先生にも見せたいな‥って」
先生は照れ笑いした
私も笑った
私は先生の気持ちを嬉しく思った
虹を見て
先生は彼女じゃなくて
私に見せたいと思ってくれた
その気持ちだけで嬉しくなった