『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
「それにしても
他の部員て、ホントに来ないね…
まだ立花さん以外の部員の顔を
見たことがないけど」
「結局1年生入ってきそうですか?」
「入部届けは、何枚か出てる」
「ふ〜ん…」
何枚出てても、きっと来ない
私はまたパレットに色を出した
「先生、昨日、彼女に会えました?」
「彼女が仕事終わるのが遅くて
会えなかった…
今日は、早く終わらせるって言ってた」
「じゃあ、今日は会えますね」
「会えるといいけど…」
クション…
「立花さん風邪ひいたんじゃない?
昨日、雨に濡れて寒そうだったし…」
先生は私の額に手を当てた
「熱、なさそうだけどね…」
ほら、また鼓動が早くなった