『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

私は運転席の後ろのドアを開けた



「駅まででいいのかな?」

私が乗り込むと男性が言った



「あ、ハイ
スミマセン…お願いします」



フロントミラーで目が合った



「て、言っても
オレ、この辺わからなくて
駅までナビしてくれる?
まだ、まっすぐ?」



「あ、ハイ…
えっと…次の信号を左です」



私はハンカチで制服を拭いた


「あの、スミマセン
シート、濡れちゃいました」



「あー、気にしないで…」



「えっと、次の信号、右で
あと、道なりで左に駅があります」



カチカチカチ…

ウインカーの音が響く



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