『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
私の病
最近、体調がおかしいことを
友香に話した
「それは、恋だね!」
友香が言った
「恋?」
「うん
私は気付いてた
菫は恋してるって」
「だれに?」
「水嶋」
「え!先生?」
私の声が昼休みの教室に響き渡った
自分でも大きい声が出て驚いた
「だって菫、水嶋のこと最近よく話すもん」
「それは、顧問だから…」
「前の顧問の話なんて
1回も聞いたことないけど…
大好きな絵の話ばっかりだった」
私は最近
その大好きな絵がなかなか描けないでいる
スランプって
すごく上手な人ができなくなることだけど
私はもともと上手でもない絵を
好きだから毎日描いていた
その絵が、毎日描けない
確かに
先生のことが気になる