『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
先生と並木道を往復して
ゆっくり歩いて学校に戻った
「電車、間に合う?
駅まで送ろうか?」
「大丈夫です
間に合わなかったら次の乗ります」
本当は送ってほしかった
「あーぁ、桜、終わっちゃった…」
「描けそう?」
「描きます!
何回も見たから、大丈夫…
綺麗だったな…」
「うん…
綺麗だった…」
先生は名残惜しそうに言った
「立花さん
今日、オレが返したリップ塗ってた?
…
…綺麗だった…」
「え…」
先生と目が合った
「ごめん…変なこと言って…」
先に先生が目をそらした
なんだろう
この空気…
今なら…
今なら言える
「先生、聞いてください
先生が彼女のこと大好きなのわかるけど…
…
私も、先生のこと好きになりました
…
先生に毎日会いたいし
一緒にいると楽しくて
…
それから‥
近くにいると
ドキドキします…
…
片思いって友香に言われました」
伝えた
先生は黙ってた
いつもみたいに笑って
バカって言ってくれると思ったのに…
やっぱり、言わなきゃよかったかな