死んでも言わない

やっぱりなかった。










何故かこの日の夜












いっつもぼーっとして空見上げるか机突っ伏してるかで1日を終えるだけのあいつが








今まではなんとなく告白されたから付き合って、でも結局は愛想尽かされて毎度フラれて帰ってくるようなあいつが












"やっぱりあの子と付き合おうかな"







とだけ連絡してきた。
















意味わかんない。

いやこいつの行動の意味なんて
わかったこと一度もないけど。















何でわざわざ連絡してくるの

そんなに宣言したいなら明日会ったときに口頭で言えば良いじゃん


もう
私に毎回報告とかしなくていいし…








頭の中は混乱の渦で
こいつにはいつも振り回されてばかりだ。









"何で急にメールなの"



これはマジで聞きたい
これだけは意味わかんない


だって今までずっと
彼女出来たときも、報告なんだか独り言なんだかわかんないレベルの感じだったのに













「やっぱり、ねぇ」



ほぼ溜息だったけど
私の心の声は私が思ってるより
遥かに沈んでいた。




すると10秒もせず

今度は着信"バカ" の画面が見えた。



「、」
黙って出る

これはいつものこと



「あ、見た?」


見たから返信したんでしょこいつやっぱりバカ



「何なのメールじゃなくてもいいじゃん」


「いや、今すぐ言いたいと思って」








こいつはバカで最低だ。





…人の気も知らないで。


「付き合えばいいじゃん」



こんな言葉言うのもう疲れたよ。












ちょっとは私の気持ちになってみろ




「お、おう」


いっつも言動に振り回されて
悩んで
ドキドキして
悲しくなって




そんなのは全部私ばっかで






こいつはずっと私の事を女として見てなかったって断言できるけど…

















そんなの悔しい。








「私もついでに言っておきたい事ある」


「は?何」



だから






これからは、

私が悩ませる番だ。























「私ね、





















春陽の事好きだよ」





私は

かなり勇気を出した、


でもちょっとやっぱり怖いけど。








相手の反応を聞かずに
私は言い終わる瞬間に通話ボタンを切った


切るの急いじゃったけど
好き、まではちゃんと聞こえてるはず。



ならいい。















今までの分

春陽の頭を私が占めてやる




覚悟しとけ。




< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop