縁の下の恋
「何で…今日もダメなの?由衣今日こそって思って来たのに!誰と?…由衣より大切なの?」
「今日は、ホントに約束があるから…とにかく帰ってくれるかな?…」
リョウが一理に気付いて立ち止まった。
「ああっ、結城さんは?まだ?」
「はいっ!もうすぐ来られます。」
「じゃあ…俺車出してくるから、待ってて!」
そう言って走り去って行った。
そこへ、その様子を影で見ていたらしくその女性が一理の方に近付いて来た。
「貴女…(マジマジと一理を見つめ)なぁーに?もしかして…スタッフ?(一理の身なりもマジマジ見下ろすように見つめ)リョウに何の用っ?」
「いえっ…私は、別に…」
「そうよねっ!リョウが貴女なんかに用がある訳ないわよね!もうっ、仕事が終わったんなら、さっさと帰ったらっ?」
「ええっ、言われなくても、帰りますので…」
由衣は、胸の前で腕を組み、さも蔑むように立っていた。