縁の下の恋


ある日~一理は結城に呼び出された。


「一理っ!年が明けたら、出向先を考えているんだが…」



「はいっ?今のコンサートスタッフの仕事じゃなくて、ですか?」



「ああっ、お前がこの仕事に配属になってから、ずっと見て来て俺なりに考えたんだ。お前にとっても良い仕事だと俺は思う。」



「一応聞かせてください。何処の部署なんでしょうか?」



「テレビ局の照明スタッフの仕事だ!もう一度一から照明の仕事を本格的に勉強しないと、お前の為にも良くないと思って。行ってくれるな?」


「はいっ、分かりました。そこまで私のことを考えてくださり…有難うございます。…ただ…その前にお願いがあります。リョウさんの日本でのツアーの最終日、仕事させていただきたいのですが。」



「どうしても、行きたいか?行かない方が…お前が、辛くなるだけなんじゃないのか?」
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