縁の下の恋



「こうして3人で外で食事するの、何年ぶりかしら?」



「そうだな!一理は、ここ何年かでホントに大人になったな!一人でいつも、どうしてたんだ?何故家にも帰って来ずに!どれだけ心配してるか、分かってないだろう?」



「すみません!一人で生きていたかったんです。お父様にもお母様にも、頼らずに一人で普通に暮らして生きたかったの。ごめんなさい!」



「それで……一理さんは、幸せだったの?思い通りに仕事も出来たのかしら?」



「ええっ!お母様、今も…一理は素晴らしい先輩や上司に恵まれてホントに幸せ者です!」



「一理は、今の仕事がしたかったんだな?…今だから言うのだが、どうしても心配になってお前が試験を受けた会社に…お前のことをお願いしたんだよ!お前に内緒で。だが、今じゃお前は自分の実力で頑張っている。それには感心したよ!」



「お父様…やっぱりでしたか。……少し話しができ過ぎかな?って思ったりもしました。でも、有難うございました。お陰で今の自分がある訳ですから。」
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