縁の下の恋


一理にとって来て欲しくない日がとうとうやって来た。



一理はあの日と同じく会場に一番に入った。



つい昨日のことのように思い出すのであった。



結城さんに貰った初めての仕事。



思わず自販機の前に立っていた。



「必ず…此所へ来ると思ってたよ!久し振り…元気だった?」



「リョウさん…どうしてですか?こんな所に…」



「君は、必ずスタッフとして最終コンサートに来てくれると信じてたから、そしたら必ず一番早くに会場入りするだろうから、待ってたんだ。」



「そんなこと…される必要ないでしょう!ああっ私準備ありますから!失礼します。今日は宜しくお願いします。じゃあ…」


リョウを真面に見ることが出来なかった。
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