縁の下の恋
美優に言われるがまま連れて行かれた場所…
それは、到底一理が、思ってもない、想像すらしてなかった場所であった。
小さな看板が立ってあり、それに見合ったのれんが掛かっていた。
中に入ると、カウンターがあり、何人かが座ると一杯になるくらい狭い店であった。
「おうっ!美優ちゃん!いらっしゃい!ええっっ、珍しいね、友達かい?」
「んんっ!まぁそんなとこかな?ねっっ?っていうか、今日知り合ったばかりだしぃ!」
「えええっ!美優ちゃん!そりゃ、誘拐してきたんじゃないのか?お嬢さん!大丈夫かい?こんな奴に付いて来ちゃってさぁ、挙げ句にこんな店に連れて来られて!びっくりしただろう!」
「はぁっ、…いえっ…あのっ…」
「一理は、勿論こんな店初めてだろうと思ったから、まずは、私と友達になれるかどうか、ちょっと試してみたかったから、連れて来た。」
「美優ちゃん!こんな店で悪うございましたね!」
「はいはい!悪いついでに、何かいつものコースで作ってよね!源さーん!」
「何だね!この娘は、いっつも、言いたい放題なんだから!まぁ美優ちゃんらしくて、良いけどさ!あいあい!ちょっくら待ちなよ、直ぐにそのお嬢様の分から作って差し上げようってかぁ!」
「何よ!じゃあ私は、スペシャルで、源さーん!宜しくぅ!」
まるで二人の会話に入っていけない一理であったが、とても興味深い世界でもあった。