縁の下の恋
(由衣の不安)
由衣は、ここ数年にわたり、リョウがまったく結婚を進める気配が無い事に不満を抱いていた。
初めてリョウに会った日から由衣は一生リョウの側で生きて行こうと決めていたのだから…
何時からか、リョウが自分のことを異性としては見てくれていないことに気付いていた。
しかし、この自分を人生のパートナーとして選んでくれるものと信じて疑わなかった。
生まれてこの方、思い通りにならなかったことは無かったのだから…
甘やかされて育ったことに優越感すら覚えていた。
両親からも、リョウの母親すらも賛成されており、何ら問題は無かった。……はずなのに。