縁の下の恋
~由衣~
リョウが、何とか結婚することを了承してくれた。
リョウのお母様に訴えたことが多分最後は決め手になったんだとは思った。
でも…何かが壊れてしまっていた。
そのことは、両親にも内緒にしているけど、充分判っていた。
リョウの心の中には誰かがいる…
その誰かは、あの小汚ない女に違いない。
きっと最終公演にはスタッフとして絶対来るはずと思った。
案の定…今日も、えらく仕事に夢中。
暫くは、様子を伺っていた。
脚立に乗り高い場所で何かをしているけど。
(ふんっ、まるで電気配線工事屋さんだわっ、男ね!まるで…)
視線が脚立に、ーーー
咄嗟にそれを力一杯押した。
最後まで見る勇気は無く、そのまま走り去った。
耳を塞いだ。誰か数人とぶつかったが気にせず走って逃げた。
何も考えないで…
そうよっっ!仕方が無いのよ…居なくなってしまえば、そうなってくれれば…
由衣は、どうやって家まで帰って来たのか、自分でも意識が朦朧としていた。
リョウが、何とか結婚することを了承してくれた。
リョウのお母様に訴えたことが多分最後は決め手になったんだとは思った。
でも…何かが壊れてしまっていた。
そのことは、両親にも内緒にしているけど、充分判っていた。
リョウの心の中には誰かがいる…
その誰かは、あの小汚ない女に違いない。
きっと最終公演にはスタッフとして絶対来るはずと思った。
案の定…今日も、えらく仕事に夢中。
暫くは、様子を伺っていた。
脚立に乗り高い場所で何かをしているけど。
(ふんっ、まるで電気配線工事屋さんだわっ、男ね!まるで…)
視線が脚立に、ーーー
咄嗟にそれを力一杯押した。
最後まで見る勇気は無く、そのまま走り去った。
耳を塞いだ。誰か数人とぶつかったが気にせず走って逃げた。
何も考えないで…
そうよっっ!仕方が無いのよ…居なくなってしまえば、そうなってくれれば…
由衣は、どうやって家まで帰って来たのか、自分でも意識が朦朧としていた。