縁の下の恋
「はぁっー食った食った!源さん今日も美味しかったよーん!一理は?どうだった?源さんの料理!」
「ああっ、ええ美味しかったです。」
「だろっ?だってさ!源さん良かったね!一理お嬢様が美味しかったってさ!」
「ごめんよ!こんな狭くてむさっくるしいとこに、お出でいただいてね!また良かったら、来て下さいよ!なんならお嬢様お一人でも、うちは大歓迎ですがね、うるさいのが居ない方が…」
「何言ってんだぁ!美優ちゃん来ないと寂しいって言ってんのは…何処のどいつだーい!」
「そんなこと言ってないで、お嬢様をお送りしないと、さぁさぁ!帰りな!」
「はいはい!わかりあしたよ!ああっっー!良い事考えたぁ、一理さぁ!うちに泊まりなよ!うんっっ、それ良い考え…うんうん。」
「えええっ!そんな訳には…いかないでしょう。」
美優は、一理の言うのも訊かずに、手を引いて歩き出した。
強引なわりには、何故か腹も絶たない、不思議な魅力を持った女の子だと一理は、思い引かれるままに、また付いて行った。
五分もしないうちに、美優の家に着いた。