縁の下の恋
第3章 めざめ
朝の光
結城は、病院の集中治療室の前の椅子に腰掛けていた。
待っている時間がこんなにも長く感じるものなのかを初めて知った。
向かい会う形で一理の両親が泣きはらした目を必至で凝して手術中の電気が消えるのを今か今かと待っていた。
集中治療室に入った当初、結城は、一理の両親からは質問責めにあっていた。
「一体、一理が何でこんなことに…」
母親の涙ながらの心からの叫びだった。
結城も答えることが出来なかった。同じ思いでいるのだから。