縁の下の恋
「ああっ、いやっ、そんな…御礼されるほどのことは何も…いやぁあいつは、いえ、あの娘は、何であんなに真面目なのか、ご両親を見て初めて分かりました。ホントにどんな仕事に対しても真面目で…ちょっと堅すぎるくらいですけど、感心していますよ!」
「ははっ、そうでしたか?そう言っていたたけで、一つ、こうするって決めると、なかなか誰の意見も訊かない子でして…真面目に頑張ってくれていたのなら、それで何よりですな!」
(渡辺)
目を真っ赤ににしながら
「あいつは、バカがつく位に真面目で、真直ぐで、一途で、純粋なんですよ!…だからこんな目に…ううっっ!」
「ちっっ!こらっ!お前はっ、何言ってんだ!ご両親の前で、……(渡辺を両親から離すように距離を置き)リョウさんのコンサートどうだった?」
「ええっ、まぁっ、何とか…でも何時のリョウさんじゃあ無かったですよ。ホントに…」
そうしているうちに、看護士がやって来た。