縁の下の恋


美優の部屋は、至ってシンプルなもので、女の子の部屋らしからぬ面持ちであった。



「壁に大きなポスター貼ってあるけど、あれはっ?誰?」


「ええっ!一理知らないの?もうっ!やだなぁ!リョウっていうピアノ奏者…日本より、海外で活躍してるからかなぁ!もうっ知らない人がここにも居たかぁ!私大ファンなんだーー。知らないついでに、今度コンサートあるから、いっそのこと一緒に聴きに行こう!うんっ!そうしよう!決まり!!!」


「ピアノ奏者って?まだどうみても、若く見えるけど…(私なんで知らなかったんだろう)」



「んん!コンサートではね、ピアノだけじゃないの!ヴァイオリンも弾くし、アコースティックギターも弾くの!もうっ、カッコ良いったら、そりゃないよ!!一理も聴いたら一度にファンになるから!良いよね?一緒に行くね!」


「ええっ、分かったわ!必ずね!」


「一理ってぇ、物分かりが早いね!私達友達って事でOK?」
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