縁の下の恋



カーテンから漏れてくる朝日が、目に眩しく感じ……


一理は、ゆっくり瞼を開けた。



手のひらに何かを感じ頭をそっと傾けると…



渡辺が俯せて軽い寝息をたて眠っていた。



頭が重くて、まして肘が動かない状態であることに気付かされた。



唯一、指を動かすことはできた。



指を動かしていると、…



「うーん!……いちりっ!!」


慌てて起き上がった。


「いちりっ?俺が、俺のこと…判るかぁ?…」



一理は、目で合図した。



「気が付いたんだな?判るんだよな?良かった……良かったー…」



ブザーを押し、一理が目覚めたことを知らせた。
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