縁の下の恋
それ以上に掛ける言葉がリョウには見つからなかった。
アメリカへ出発する準備があるからと、リョウは、病室を後にした。
一理が、笑顔で自分を送りだしてくれたことが、頭の中から消えることが無かった。
自分がアメリカへ行って活躍することが、一理にとっての幸せなのか?
彼女にとっては、所詮は、自分は、スターであって何者でも無いんじゃないのだろうか?
彼女は、ただ自分の好きな仕事を全うしたかっただけなのか?
そうなのか?……
だとしたら…自分は、彼女が言うように、世界で活躍している姿を知らしめた方が…喜んでもらえるのだろうか?