縁の下の恋


2人は慌ただしくアメリカへ発つこととなった。


向こうでのコンサートが高瀬の手配のお陰で保留となっていた。


アメリカ行きの飛行機の中で、高瀬に質問を受けた。


「リョウさん…お母様とは、きちんと話されて来たのですか?」



「あの人は…父が亡くなって以来考えが堅くな過ぎるんです!僕の幸せを考えてくれるのは有り難いのですが、違うんですよ。その違いをどうしても理解してもらえなくて…困ったものです。」



「仕方ないですよ!あの方にとってリョウさんは、掛け替えの無い存在なのですからね!」


「判ってるんですけどね。暫くは母のところへは、戻るつもりはないですから!」



「君には……もしかしてお母様以上に大切な人が出来た…とか?」



「………」
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