縁の下の恋
忙しい結城であることは分かっている一理であった。
都合をきき、一理の方から、会社の会議室に出向いた。
病院を退院して以来であった。
一理にとっては、久し振りの会議室であった。
今でも初めてこの会議室であったことを昨日のことのように思い出す。
(ダッダッダッ)慌てた様子で結城が会議室に駆け込んで入って来た。
「いちりっ!待たせて悪かったな!おおおっ!元気になったな?さぁ!立ってみろ!どんなだぁ?…」
一理は、立って現気なポーズを見せる。
結城は、思わず一理に近付いて肩を抱き寄せた。
一理は突然の結城の行動に一瞬身体が硬直してしまった。
「ああっ、いやぁ、すまん!つい…いやっ、しかしお前は、頑張った!やっぱりお前は凄い奴だ!こんなに早く元に戻れるなんてな?事故った時は、さすがの俺も参ったけどな!」
「ホントに…色々ご心配お掛けしてすみませんでした。お陰様で…」
「ああっ、堅苦しい挨拶は、良いからさぁ、お前は、ホント相変わらずだよなぁ、全く…でっ、……」
ようやく2人で椅子に腰掛けた。