縁の下の恋
「みんなの、貴重な時間を僕の為に集まってもらって、ホントに有難う!今日のこの今だけは、僕の創る世界に浸ってもらえると嬉しいかなって、思います。」
「………〃〃〃〃〃」観客が、小声で、一理をどうしてステージにあげたのか不満を洩らしている。
「ああっーん、彼女?彼女には、もっと僕の側に来て…僕の世界を理解してもらう為に、上がってもらいました!!……じゃあ…この曲で。」
リョウは、ピアノを弾く前に、一瞬一理を見つめ、ゆっくりと弾き始めた。
一理は、未だ自分がどうしてステージに上げられてしまったのかが判らないでいた。
緊張と恥ずかしさの中…
♪♪♪♪♪♪
♪♪♪♪♪♪
♪♪♪♪♪♪
えええっ!何で?
以外な曲を弾いたことで、観客からも、どよめきの声が上がっている。
その曲は~
乙女の祈り~
一理も、小学校6年の時発表会で弾いた曲だった。