縁の下の恋
「一理……毎日こんな空気吸ってるんだぁ!あたしは、無理だわっ!っていうか……一理って、基本的に…お嬢様だったんだね!何かそうなんじゃないかな、とは思ってたんだけど、ここまでとはねぇ。で?私の使命は、果たせたかな?」
「ごめんなさいね!根掘り葉掘り、嫌だったでしょ?気にしないでね?私が最近何も話さなくなったものだから…美優を招待した時から、目的は、それなんだとは思ってたんだけど、ホントにゴメンね!」
「でも、あたしも、一理のことまだ理解出来て無いからなぁ、一理って、何考えてるんだか、判らないだらけだよ!特に将来のことなんて、誰にも分からないよね?あたしなんて自分ですらはっきりしてないのにさ!」
「そうだよね?みんなまだまだ未知数なんだよね?親は、分かってないよね?今はそれで良いんじゃない?四年になったら、お互い同時に報告しようね!今から美優がどう言うか楽しみにしてるからね?」
「何?一理は、少しは心当たりあるとか?」
「んーん、もう少し勉強したいことがあるから、そこから、何か仕事に繋げて行けたらって思ってはいるけど…今はまだ両親には言えない。」
「一理って、ただのお嬢様じゃあないよね?あたしが、友達にしただけのことはあるよね!何か尊敬しちゃうよ!」
「別に…普通だから、何も変わらない!美優は、美優だし、私は私…ええっ!何見てるの?」
一理の部屋にある本棚をジロジロ見ながら、
「この難しい本、一理が読んでる、とか?」
「ええ、この間言ったでしょ!電気工事技師の話…その関連の教材、まだあそこの棚にも、一杯あるわよ!読んでみる?」
「いえいえ!遠慮しとくわ!」