縁の下の恋


「で?何度も訊くが…その会社から、採用通知が来たら、どうするつもりなんだ?」



「差し当たり…さっきお願いした通り、マンションを借りて一人住まいをして仕事をしていきたいと思っています。」



「此所から、通うのは?ダメなのか?この家に居れば良いじゃないか?」



「生活すべてを、一人でしていきたいので、ここだとどうしてもお父様やお母様に甘えてしまいますので…」


「でもね?女の子の一人暮らしは…心配だわ!ねぇ、あなた?」



「今までずっと私達と暮らしてきたんだぞ!一人で…ホントにやっていけるのか?寂しいし、何より大変だぞ!」



「それも、良い勉強だと思っています。どうか許して下さい!今のところ別に海外行くわけではないのですから、家に帰って来れる時あるはずですから!」



「そうだな…一生会えなくなる訳ではないな?深雪?私達が一理の所へ会いに行けば良いのだから!まぁ…この部屋を見て…一理なりに努力してきた事は、認めてやらないと、いけないようだな!」



「そうね、一理さんは、子供の頃から、一度言い出したら、訊きませんものね!」
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